1 相続 の 概要
相続 は、人が死亡した際に、その人(被相続人)の有していた財産上の権利や義務を相続人が受け継ぐ、又は受け継がないことです。
相続を時間軸で分類すると、大まかに、【生きている間に相続に向けて準備をする場面】と、【死亡後に遺族らが遺産を分ける場面】に分けられます。
下記では、代表的な相続手続を簡単に紹介いたします。
生きている間にあらかじめ準備する場面
被相続人が生きている間に、あらかじめ自身の相続について遺産分割の方法等を指定しておきたい場合には、遺言書を作成することができます。
また、生前に贈与することによって、あらかじめ資産を分配することもできます。
死亡後に遺族らが遺産を分ける場面
遺産分割協議
遺言書が存在しない場合には、どのように遺産を分配するのかについて、相続人間で決めることになります。
法律では、各相続人が遺産のどれくらいの割合をもらうのかという点は決まっていますが、具体的に誰がどの遺産を取得するのかについては、相続人間で決めるしかありません。
例えば、自宅不動産、別荘の不動産、複数の金融機関に預貯金があるような場合に、だれが自宅不動産を取得し、だれが別荘地の不動産をもらうのかといった具体的な分け方は、まずは協議により決めることになるのです。
そして、相続人同士の話し合いで合意ができる場合には、合意内容を記載した「遺産分割協議書」を作成します。
遺産分割調停・審判
他方、話し合いではまとまらない場合や話し合いができない場合には、家庭裁判所に対して調停や審判を起こすことになります。
調停では、裁判所が間に入り、相続人間の話し合いを取り持ってくれます。もっとも、調停がまとまるためには、すべての相続人の合意が形成されなければなりません。
審判の場合は、証拠資料をもとに、裁判所が判断を示して結論を出してくれます。
訴訟
また、主に相続の前提問題として、訴訟によって解決しておくべき事項もあります。
例えば、相続財産に該当するのかどうかという点に争いがあれば、遺産確認訴訟や使途不明金請求訴訟等の訴訟を提起して、調停前に解決しておくことになります。
それ以外の訴訟としては、例えば、遺言書において、被相続人がある特定の一人に全財産を相続させると指定していた場合でも、他の相続人の遺留分(各相続人が最低限もらうことのできる遺産を遺留分といいます。)を侵害する場合には、遺留分を侵害された相続人は遺留分相当額の支払いを請求する訴訟を提起することができます。
相続放棄
被相続人の財産について、負債の方が多い場合には、相続を知った時から3ヶ月以内(申立により延長可能。)に家庭裁判所へ相続放棄の手続をとることができます。 「遺産分割で、自分は何ももらっていない。」というだけでは、債務を免れることはできませんから、注意が必要です。
相続については、それぞれの局面や遺産の過多、遺産の使われ方(例えば、遺産の不動産に住んでいる人がいる、など。)などによって、様々な問題が生じ、様々な解決方法を選択していくことになります。
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