決議無効 ・決議不存在確認訴訟

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第1 決議無効 ・決議不存在確認訴訟とはどのようなものか

 決議無効 ・決議不存在確認訴訟は、集団の意思決定機関でなされた決議が、「無効であること」、又は、「そもそもそのような決議がなされていないこと(不存在)」であることの確認を求めて、裁判所に対して提起する訴訟です。

 以下、このページでは、決議無効・決議不存在確認訴訟 をまとめて、「決議無効等確認訴訟」と言います。

⑴ 法律の規定がある場合

 決議無効等確認訴訟には、法律で規定されている場合と、されていない場合があります。
 法律で規定されている場合の具体例としては、株主総会決議の無効又は不存在を確認する訴訟を規定した会社法830条、社員総会又は評議員会の無効又は不存在を確認する訴訟を規定した一般社団法人法265条1項(不存在確認)同条2項(無効確認)が挙げられます。

⑵ 法律の規定がない場合

 法律で規定されていない場合、そもそも無効等確認訴訟ができるのかという疑問が生じます。

ア 法人の場合

 この点、最高裁判例(最一小判昭和47年11月9日民集26・9・1513)は、法人の意思決定機関の意思決定について、規定がなくても商法252条(現在の会社法830条に相当する。)の類推適用が認められる旨判示しており、法人に関しては、結論的には「明文がなくても、無効等確認訴訟ができる。」ということになります。

イ 法人以外の団体の場合

 法人以外の団体(民法上の組合、マンション管理組合等)の決議についてはどうでしょうか。結論としては、決議無効等確認訴訟は可能です。私見ながら、理由は次のとおりです。

  1. 上記最高裁判例(最一小判昭和47年11月9日民集26・9・1513)の趣旨は、法人ではない団体の意思決定にも概ね当てはまると考えられること
  2. もともと民事訴訟には「無効確認の訴え」という訴訟の類型があるため、その要件を満たす限りは、会社法830条を類推適用するかどうかはともかく、法人ではない団体の団体的な意思決定の無効確認を認めることができると考えられること

 この2つの理由から、法人以外の集団の決議についても、決議無効等確認訴訟が認められると解されます。現実にも、決議無効等確認訴訟は多数提起され、不適法却下されることなく、下級審を含めて多数の裁判例が出されています(一例を挙げると、最1小判平成29年12月18日民集71・10・2546においては、無効確認訴訟ができることを前提に判決理由が展開されています。)。

 決議無効等確認訴訟について、どのような事例でどのような判断が出されているのか、いくつか具体例をご紹介します。

⑴ 明文がある場合

① 決議不存在とされた具体的な事例

大阪高判令和3年7月30日判時2529号99頁

株式会社において、発行済み株式数の約77.4%を有する株主に対する招集通知がなく、当該株主総会の招集手続の省略にかかる同意もなかった事例において、当該株主総会決議は不存在であると判示されました。

東京地判平成23年4月27日判タ1355号232頁

一般社団法人の社員総会において,議長が散会を宣言した後に出席者の4割程度が退席し、定足数を割り込む状況となった場合において、残留した社員によってされた理事選任決議等が存在しないものとされた事例です。

② 決議無効とされた具体的な事例

東京地判平成27年9月7日判タ1422号371頁

存否又は額について争いのある債権に係る債務について、弁済のための財産を留保することなく残余財産を分配したことを内容とする決算報告を承認する株主総会決議は、会社法502条に反するとして、当該株主総会決議を無効とした事例です。

⑵ 明文がない場合

① 決議不存在とされた具体的な事例

東京地判平成13年2月20日(判タ1136号181頁):この事案では、マンション管理組合について、複数の総会の決議が無効や不存在とされています。

  • 平成5年の業務案及び予算案は全く決議がなされておらず、共用部分の変更は議案としても提出されていないとして、決議が不存在であると判示しています。
  • 平成6年については、平成6年総会は、招集権限のない者によって招集された総会であり、区分所有法所定の事項等をあらかじめ通知せず、特別多数決議の要件も満たさない規約変更決議を行うなど瑕疵が著しいから、平成6年総会において行われた各決議はいずれも不存在であると判示しています。
  • 平成7年定期総会での各決議について、既に判断したとおり、平成6年臨時総会における理事長選任決議は無効であるから、Bが理事長として招集した平成7年定期総会は、無権限者によって招集され たものであり、平成7年定期総会において、理事に選任されたのは、平成7年臨時総会と同様に被告ら13名であるから、平成7年臨時総会について判断したのと同様に 、理事選任決議にも著しい瑕疵がある。 そうすると、平成7年定期総会においてなされた決議は、いずれも不存在というべ きであり、同日の理事会における理事長及び副理事長の選任決議も不存在であると認 められる、と判示しています。
② 決議無効とされた具体的な事例

東京地判平成13年2月20日(判タ1136号181頁):この事案では、マンション管理組合について、複数の総会の決議が無効や不存在とされています。

  • 平成5年の理事専任決議について、代理人と称して原告A及びその経営する会社の組合員数を大幅に上回る関係者を総会に出席させ、その威力を背景 にして、原告管理組合の顧問弁護士の議事への関与を妨害し、議長の議事進行に様々な異議を述べたり、威迫的な言動をしたりして審議を著しく混乱させた上、自己を理事に選任する議決をさせ、原告Aが代表取締役を務める株式会社Bに対する管理費請求訴訟について新理事において和解等を検討することを要求するに至ったという事案で、右の状況においてなされた平成5年総会における理事選任決議には、 その審議及び議決の手続に著しい瑕疵があるということができ、同決議は無効であると判示しました。
  • 平成7年臨時総会の理事選任決議について、平成7年臨時総会において理事に選任された者のうち、被告L、被告C株式会社、被告M、被告Nは組合員又はその同居家族ではないため、平成6年総会に おいて改正された原告管理組合規約29条2項2号及び同項4号に基づき、組合員から組合員としての権限を委任された者としての資格に基づき、理事に選任された者であるところ、既に判断したとおり、平成6年総会における規約変更決議は不存在であるから、同人らは理事資格を有しない者であり、無効な資格要件に関する規約を前提として選任手続が行われた平成7年臨時総会における理事選任手続には著しい瑕疵があるというべきである。そして、この瑕疵は決議を不存在とするものとは解されない が、同総会における理事選任決議は全体として無効と認めるのが相当であると判示しています。

第2 どのような場合に提起できるのか(対象となる決議の欠陥)

 決議無効等確認訴訟は、集団的な意思決定の「欠陥」(「瑕疵」(かし)と記載するのが通例ですが、難しいので「欠陥」とします。)を理由に無効等を主張するものです。それでは、どのような「欠陥」が、訴訟の対象となるのでしょうか。

  決議無効等確認訴訟の対象は、次のとおり整理できます。

  • 決議をしていない→決議不存在確認訴訟
  • 決議はしたが、手続(招集や決議方法)の欠陥が大きすぎて、法律上決議があったとは評価できない
  • 決議不存在確認訴訟
  • 決議の内容に、法令違反がある→決議無効確認訴訟
  • 決議に、次の問題がある→決議取消しの訴え(会社法831条)
  • 手続に法令・定款違反または著しい不公正がある
  • 決議の内容の定款違反、又は特別の利害関係者が議決権行使をしたことにより著しく不当な決議がされた

 以上を図にまとめると、次のようになります。図表の①〜④は、上記の①〜④と対応しています。

決議無効等確認訴訟における訴訟の対象(図表)

 会社法では、決議無効等確認訴訟の他に、「決議取消しの訴え」という訴訟類型が設けられています。【図表】の、色が暗くなっている部分が、「決議取消しの訴え」の対象です。この決議取消しの訴えは、原告となることのできる者が株主等に制限されていたり、決議の日から3ヶ月以内にしか提起できなかったりと、制限が設けられています。これは、違反の程度が比較的軽微なものについては、早期に解決させて、法的安定性を重視するためだと考えられます。

 一般社団法人法でも、同様に「社員総会等の決議の取消しの訴え」が定められています(一般社団法人法266条)。

 「法律の規定がなくても、決議無効等確認訴訟は可能」であるという点は、上記で述べた通りです。

 では、決議取消しの訴えは、明文がなくても認められるのでしょうか。この点は、明文がないと対象や期間制限の有無などがはっきりしないため、出来ないと考えられます(裁判例として、大分地判平成22年6月30日判例秘書搭載L06550458は、明文がないことを理由に決議取消しの訴えを却下しています。他に、東京地判令和元年12月23日判例秘書搭載L07430726。)。この判断には、決議取消しの訴えは形成訴訟であり要件や効果が明確である必要がある一方、決議無効等確認訴訟は確認訴訟であるという違いも影響しているものと思われます。

 そうすると、次に、決議無効等確認訴訟の明文がない法律に準拠して設立された団体の意思決定について、会社法の決議取消事由に相当する欠陥(上記【図表】の暗い部分。)があることを理由に、決議無効等確認訴訟ができるのかという問題が生じます。もしこれが肯定されると、決議無効等確認訴訟の対象が広がることになり、決議無効等確認訴訟によって救済される範囲が広がる一方で、決議無効等確認訴訟が濫発される恐れがあるとも考えられます。

 この点については、明示する判例は見当たりませんでしたが、決議取消しの訴えが認められない以上、決議取消事由に相当する決議の欠陥につき無効等確認訴訟を認めないと、権利救済の途が閉ざされてしまいます。

 他方で、あまりに軽微な欠陥を理由に無効等確認訴訟が提起された場合には、裁判所において確認の利益(訴えの利益)がないとして訴えを却下することである程度の調整はできるのではないかとも思われ、そこまで弊害はないのではないかと考えられます。したがって、私見にはなりますが、会社法上の決議取消事由に相当する欠陥についても、決議無効等確認訴訟が提起できるものと考えます(対象の範囲の問題ではありませんが、濫用的な決議無効等確認訴訟につき訴権の濫用であることを理由に却下した裁判例として、最一小判昭和53年7月10日民集32巻5号888頁、東京地判平成23年5月26日判タ1368号238頁。)。

 決議無効等確認訴訟は、決議の無効のみならず、その決議が行われた総会自体の不存在や無効を確認することはできるのでしょうか。

 この点については、当該総会で行われた「決議」の無効を確認できれば足りることが多いと考えられること、条文上も「決議」の無効等を確認できるという書き振りになっていること(会社法830条)から、特に必要がある場合を除いて、総会自体の無効等確認訴訟はできないと考えます(東京地判平成13年2月20日(判タ1136号181頁))。

 もっとも、訴額を計算する場面(後述します。)では、決議ごとに160万円とされていますので、決議ごとに無効等確認を行うと、訴額が高額になることがあります。特に、瑕疵連鎖(後述します。)があり、過去数年分の総会決議の無効等確認を求める場合には特に訴額が高額になると思われます。同一の総会でなされた決議は一括して160万円として訴額を計算する取り扱いとなれば、原告の負担も少なくなると思われます。

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第3 判決が出るとどうなるのか( 決議無効 等確認訴訟 の判決の効力)

⑴ 会社法

① 対世効(たいせいこう)

 決議無効等確認訴訟の確定判決には、「対世効」と言う効力があり、訴訟に参加していない第三者にも及びます(会社法838条)。つまり、決議無効等確認訴訟で決議が無効だと判断され、その判決が確定した後は、誰も「その決議が有効だった。」とは言えなくなります。

 なお、対世効が生じるのは認容判決(=原告の訴えを認める判決のこと。例:決議を無効だと認める判決。)だけで、棄却判決(例:決議は無効ではないという判決。)には対世効は生じません。棄却判決の場合、少なくとも、第三者が別の無効事由の主張をする可能性があり、これを対世効によって制限すのは妥当ではないと考えられます。

 条文(会社法838条)上も、「認容する確定判決」に対世効が生じるとしており、反対解釈をすると棄却判決には対世効が生じないことになります。

② 遡及効(そきゅうこう)

 決議無効等確認訴訟の確定判決には、「遡及効」という効力があります(会社法839条参照)。これは、無効と判断された決議については、決議された当時に遡って効力が無くなるということです。ですから、無効な決議を前提になされた法律行為は、基本的には、連鎖的に無効となります(瑕疵連鎖。最3小判平成2年4月17日民集44・3・526)。

③ その他

 既判力はありますが、確認訴訟であるため執行力、形成力はありません。

⑵ 一般社団法人法

 同法に基づく決議無効等確認訴訟の認容判決にも、会社法に基づく場合と同様に、対世効(一般社団法人法273条)、遡及効(一般社団法人法274条参照)、及び既判力が認められます。

⑴ はじめに

 当該団体設立の根拠法に決議無効等確認訴訟の規定がない場合、決議無効等確認訴訟の判決にはどのような効果があるのでしょうか。

⑵ 対世効はあるのか

 最高裁は、明文がなくても、「事柄の性質」によっては確認訴訟判決に対世効を認める旨を判示しています(最判昭和44年7月10日民集23・8・1423)。

 そして、決議無効等確認訴訟の認容判決は、画一的に無効である必要があります。つまり、「ある人との関係では決議が有効だが、別の人との関係では決議が無効である。」というような事態は、混乱を招くだけですから、避ける必要があります。

 このように、決議無効等確認訴訟の認容判決は、事柄の性質上対世効を認める必要がありますから、対世効があると考えられます。

⑶ 遡及効はあるのか

 決議無効等確認訴訟の判決は、過去に行われた決議が無効又は不存在であることを確認するものですから、当該決議がなされた当時に遡って決議の効力を失わせる必要があります。よって、遡及効はあると考えられます。  

⑷ その他の効力

 確認訴訟の判決として、既判力がある一方で、執行力や形成力はありません。

⑴ 登記

 決議無効等確認訴訟の確定判決で無効又は不存在と判断された決議に基づいて、登記がなされていた場合には、裁判所書記官が登記所に対して登記を依頼します(会社法937条1項1号ト⑴、一般社団法人法315条1項1号ロ⑴)。

 登記官は、当該株主総会で決議した事項に関する登記を抹消するほか、当該登記によりかつて抹消された登記事項があるときは、その登記を回復します(商業登記法規則66条)。

⑵ 敗訴原告への損害賠償請求

 原告が敗訴した場合において、原告に悪意または重過失があるときは、原告は会社・社団法人に生じた損害を連帯して賠償する責任を負います(会社法846条、一般社団法人法277条)。

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第4 訴訟手続に関する事項

⑴ 明文の規定がある場合

① 原告

 会社法や一般社団法人法には原告適格(=原告になりうる資格)について定めがないため、確認訴訟の原則に従って、「確認の利益」がある者が原告適格を有することになります。

 株主や取締役は、原則として「確認の利益」が認められるとされています。株主の場合、訴訟中に株式を譲渡した場合や、無効等確認の対象となった決議後に株式を譲り受けた場合など、株主たる地位の変動があった場合に原告適格がどうなるのかという問題もありますが、細かいので立ち入りません。役員についても解任されたり再任されなかった場合に身分変動の問題が生じますが、こちらも同様に立ち入りません。

 会社の取引先に原告適格が認められるかどうかについては、請求内容次第で「確認の利益」が認められるのか、個別に判断されることになると思われます。

② 被告 

 当該会社(会社法834条16号)、当該一般社団法人等(一般社団法人法269条4号)

⑵ 明文の規定がない場合

① 原告

 明文がある場合と同様に、「確認の利益」があるかどうかで決まります。

② 被告

 無効等確認対象となる決議を行った集団が、被告になるものと解されます。もっとも、マンション管理組合を当事者とする決議無効等確認訴訟では、管理組合を原告とする事例も見受けられます。

⑴ はじめに

 決議無効等確認訴訟は、どの裁判所が取り扱うのでしょうか。

⑵ 明文のある場合

 株式会社の場合、管轄は、被告となる会社の本店所在地を管轄する地方裁判所です(会社法835条1項)。

 一般社団法人等(=一般社団法人+一般財団法人)の場合、被告となる一般社団法人等の主たる事務所の所在地を管轄する地方裁判所です(一般社団法人法270条)。

 神奈川県内の裁判所の土地管轄については「こちら」を、東京都内の裁判所の土地管轄については「こちら」をクリックの上、ご確認下さい。

⑶ 明文のない場合

 明文がない場合、法人であれば、会社法830条(旧商法252条)が準用されるため、合わせて会社法835条が準用され、被告となる会社の本店所在地を管轄する地方裁判所が管轄を有すると考えられます。

 法人ではない場合には、規定がないため、土地管轄と事物管轄を分けて考える必要がありましょう。

 土地管轄については、民事訴訟法4条1項及び4項の一般原則に従い、被告たる団体の「主たる事務所又は営業所により、事務所又は営業所がないときは代表者その他の主たる業務担当者の住所」を管轄する裁判所が管轄権を有すると考えられます。例えば、民法上の組合の場合、組合の事務所がなければ組合長のご自宅の所在地を管轄する裁判所に提訴することになります。

 マンション管理組合の場合、規約でマンションの所在地を管轄する裁判所を合意管轄裁判所と定めていることが多いと思います。

 事物管轄は、後述の通り訴額が160万円以上となるため、簡易裁判所ではなく地方裁判所が管轄します。

 訴訟提起をする際は、訴状に印紙を貼ります。

 印紙の金額は、請求内容に応じ、「民事訴訟費用等に関する法律」に従い計算します。金銭を請求する訴訟であれば請求額に応じて計算できますが、決議無効等確認訴訟では金銭換算が困難です。算定困難な請求については、民事訴訟費用等に関する法律によって、訴額を160万円として計算することになっていますので(民事訴訟費用等に関する法律4条2項)、印紙額は1万3000円となります。

 なお、無効等の確認を求める決議が複数ある場合や、合わせて他の請求も併合して行う場合には、そちらも含めて計算した訴額の印紙を貼る必要があります。

 訴訟提起した原告が株主(取締役等である場合を除く。)であり、かつ、悪意で訴訟提起したことが疎明(=日常用語の「証明」と同じようにお考え下さい。)された場合には、担保提供が命じられることがあります(会社法836条1項、一般社団法人法271条)。

 複数の原告が、同じ決議について、同時期に決議無効等確認訴訟を提起した場合には、弁論が併合されます(会社法837条、一般社団法人法272条)。弁論の併合とは、要するに「一緒に審理をする。」ということです。同じ決議について、別々に審理すると、原告Aの訴訟では無効、原告Bの訴訟では無効ではないという判決が出かねないためです。

 決議無効等確認訴訟の認容判決が確定した場合には対世効が生じることから、第三者が不測の不利益を被ることがないように、請求の認諾や和解はできないと解されています。

 同じ理由から、自白の拘束力が生じないため、相手方が認める事実についてもなお立証が必要になると解されています。

 他方で、対世効が生じない請求の放棄や、訴えの取り下げは可能と解されます。職権探知主義については、明文がないため採用することができず、職権証拠調べはできないと解されています。

第5 決議無効 等確認訴訟 の弁護士費用等

 当事務所では、会社、マンション管理組合その他の団体の決議無効等確認訴訟のご相談及び訴訟の代理業務を承っております。相談料は30分あたり6000円です。

 当事務所で決議無効等確認訴訟を提起する場合の弁護士費用は、次のとおりです。

 事件の依頼を受けるときにかかる費用です。事案の内容や、無効等確認を求める決議の個数、決議無効等確認以外に金銭請求等を行うかどうかにより、変動します。

 訴訟提起に必要な印紙代や、裁判所に納付する切手代、裁判所への交通費、通信費等です。不足が出れば追加で納付をお願いいたします。余った実費は、事件終了後に返金します。

 裁判所への出廷日当です。最近はオンラインで審理が行われることが多いので、発生しても数回分だと見込まれます。

 日当の詳細は、「こちら」をクリックしてご確認下さい。

 結果に応じて発生する費用です。決議無効等が確認された場合には、上記の金額が発生します。無効等確認を求める決議が複数ある場合や、決議無効等確認以外にも請求を行う場合には、成功報酬も加算されます。

第6 その他

 法律相談の予約は、「こちら」よりお願いいたします。

 オンライン相談をご希望の方は、その旨を予約ページの「Message」欄にご記入ください。

本ページ作成の主な参考文献

  • 会社法(第4版)/田中亘/東京大学出版会
  • 株式会社法(第9版)/江頭憲治郎/有斐閣
  • 逐条解説一般社団・財団法人法(第2版)/熊谷則一/全国公益法人協会
  • 商事関係訴訟(初版)/東京地方裁判所商事研究会 編著/青林書院
  • 最高裁判所判例解説 民事篇 昭和47年度/野田宏/法曹会
  • 民事訴訟法(第2版)/瀬木比呂志/日本評論社
  • 商業登記ハンドブック(第3版)/松井信憲/商事法務